大雨 豪雨への備え!
最近は線状降水帯による集中豪雨や突発的なゲリラ豪雨などが当たり前に感じるぐらい頻発しています。大雨・豪雨の災害も多くなっている昨今、雨が強くなる前にできる大雨・豪雨への備え方を解説します。
近年よく聞く「線状降水帯」とは?
線状降水帯とは、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」と気象庁が定義しています。ここで注目するのは「数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞する」ということです。つまりずっと雨が降り続けるということ。普段なら降った雨はマンホールや側溝に流れます。しかしながら短時間に狭い範囲で非常に激しい雨が降ると、排水機能が追いつかなくなり、災害の危険性が高くなります。特に宅地等の開発が進んだ都市部では、川の急激な増水が生じたり、道路や住宅への浸水、道路のアンダーパス等の地下空間の水没といった被害も発生しています。
線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ
線状降水帯は予測が大変難しいと言われています。しかし昨今は甚大な被害が起きることが多いので、前もって発表するようになりました。
2022年6月1日から、「顕著な大雨に関する気象情報」の発表基準を満たすような線状降水帯による大雨の可能性がある程度高い場合に、「気象情報」において半日程度前から地方予報区単位等で呼びかけます。
〇概ね半日前から6時間前まで
線状降水帯が発生する可能性がある時間帯の概ね半日前から6時間前までは、気象情報において「線状降水帯」というキーワードで呼びかけます。
〇概ね6時間未満
線状降水帯が発生する可能性がある時間帯まで概ね6時間未満になると、具体的な避難行動が必要になるため、地方予報区単位の呼びかけではなく、より具体的に大雨の状況を解説し、大雨警報や浸水キキクル(危険度分布)※1等、様々な情報の活用を呼びかけます。同じ地域で線状降水帯が繰り返し発生するような場合、最初に「顕著な大雨に関する気象情報」が発表された後は、一連の事象が終わるまで、発生の可能性ではなく、「線状降水帯」というキーワードを用いて発生後の呼びかけを行います。
具体的な避難行動として、自治体によっては警報レベルを引き上げて、住民に行動を起こさせるための指示に変わります。時間の経過と共に雨量が増加すると自宅を離れての外部避難(水平避難)が難しくなるため、早い段階から水平避難の呼びかけが必要となります。
〇線状降水帯が発生
線状降水帯が発生した場合、大雨災害発生の危険度が急激に高まることがあるため、心構えを一段階高めていただき、自分がいる場所のハザードマップや避難所・避難経路の確認等をご自身で早い段階で行うことが求められます。
外出先で大雨に降られて冠水や内水氾濫で帰宅できない時は?
河川の氾濫や内水氾濫※2の際に、どうしたらいいのかは前もって決めておくと行動しやすくなります。その指針となる「避難行動判定フロー(内閣府)※3」があります。まずはハザードマップが基本。必ず最新のものを入手して情報のアップデートをしておきましょう。「自らの命は自らが守る」意識を持ち、会社や学校から家までの帰宅経路でどんな被災に遭うのかをイメージして、とるべき行動を平時から確認しましょう。
避難の心得6か条をお示しします。
①積極的に情報を入手
②浸水より高い場所
③原則歩いて避難
④浸水した道路は通らない
⑤低い道路は通らない
⑥会社や学校にとどまるなら十分な準備を
すでに帰宅できない状態になっているなら、なるべく浸水箇所より高い避難所を目指して避難します。大雨の場合は緊急避難所が開設されることもあります。避難先は逐一送られてくる自治体からの情報を見て決めるのが大事です。会社の場合、そこが安全なら無理に帰らないで留まるというのもありでしょう。雨の中、外に出る際には荷物は濡れないようにゴミ袋などでパッキングして対策するのは基本中の基本です。
まとめ
異常気象に見舞われる近年、どこでどんな災害に遭遇するかわからない時代になってきました。
だからこそ普段から知識や情報を共有し、みなさまも命を守る行動を心がけましょう!